HSS型HSPのおおつかのメモ

自分がHSS型HSPであるとわかったからにはうまく付き合って生きていく!

HSS型HSPと自覚するまで(後編)

大塚です。前回の続きです。

他のみんなと同じように生きてきたはずなのに、なぜか私だけ底辺から抜け出せない。20代が終わって30歳になり、何者にもなれないままついには40代に突入してしまった。同級生は課長になったり、子供が受験だったり、起業したり、本を出版した人もいる。私はまだ何もできていない。

私は自分の人生がうまくいかないことにあせると同時に、自分の心にも問題があるかもしれないと思い始めました。気づくまでにかなりの遠回りをして時間がかかりました。それは人生で初めて鬱病か思うほどに落ち込んだ経験からでした。

 

 

推し活で鬱みたいな状態になる

私は音楽(当時は主にクラシック)が好きで、演奏家の公演情報などを知るためにSNSを始めました。いつもイベントが終わってから知ることが多く、コンサートに行くチャンスを毎回逃してしまっていたので。

SNSでは他のクラシック音楽ファンの人と知り合い、一番のお気に入りだった演奏家のファングループに入りました。そこで積極的に仲間と交流しようとしていたら、ある日突然みんなから嫌われてしまったのです。全員からブロックされてファングループから追い出されました。今まで普通に生きてきたつもりだったのに、こんなに他人から嫌われるのは生まれて初めてで、あまりにもショックで数日間は呆然とし、その後はだんだんと鬱のような状態に陥っていきました。

ブロックしてきた人たちのことを四六時中考えては憎いと思い、悔しくて悔しくて悔しくて、ずっと泣いていました。嫌われた原因をひたすら考えたり(だいたい検討がついてましたが)、会社に行っても仕事に集中できずにそいつらのことをずっと考えて、休みの日はお昼まで寝て現実逃避、毎晩寝る前に泣くので枕はシミだらけになりました。食欲もなく、おいしいと思うのはセブンイレブンのバタークッキーだけ。それが4〜5年も続いたのです。私は自分は鬱病になったと思っていました

 

鬱から立ち直るために再び自分探し

こんなに人に嫌われるのは悔しい。でも立ち直れない自分も情けない。もともと自分に自信がなかったけど更に自信を失った。自己肯定感を上げたい。そうすれば鬱病が治るかもしれない。

そう思って私は終わりのない自分探しを再開しました。

自分に自信を持ちたくて外見を磨くことにしました。長年コンプレックスだった顔のほくろを全部取り(10万円くらいかかりました)、バタークッキーを食べるのはやめてダイエットをして7キロも瘦せました。ものすごく努力しました。流行りのパーソナルカラー診断、骨格診断、顔タイプ診断を受けて外見を大きく変えました

ここまで変えたらマイナス10歳の若見えが叶って30代に見えるし、スタイルもまあまあ良いし、周りの同世代の人たちに羨ましがられるようになりました。しかしそれでも私は自分に自信が持てなかったのです。

 

他人から必要とされたい

自分の外見を変えるだけで自信が持てなかったのなら、身につけたダイエットや美容に関する知識を発信して、これからきれいになりたいと思っている人の役に立てれば私がこの世に生きている価値が認められるかもしれないと急にひらめきました。

私は何故だかわかりませんがSNSがとても苦手で、どのアカウントもフォロワー100人もいかずに飽きてやめてしまう癖がありました。でもせっかくやる気になったのでインスタでダイエットアカウントをやってみようと思い、アカウント設計から収益化までのやり方を指導してくれるオンラインサロンに入りました。それと同時に投稿画像を作るために画像編集ソフトのCanvaを使えるようになろうと通信講座を受けました。続くか分からない習い事にまたお金をかけてしまいました。

しかし投稿しても投稿してもフォロワーは全く増えませんでした。私自身にはダイエットに成功したという実績があるのに、インスタでそれを表現しようとするとうまくできない。とにかく私はせっかちなのです。すぐに結果がほしい、でないと急に嫌になってしまうのです。

結果、美容系キラキラインスタグラマーには変身できずに終わりました。私のダイエット経験は誰かの役に立つどころか、誰に見てもらえませんでした。

 

精神疾患を疑い始める

見た目を変えても自信が持てない。SNSもうまく使えない。誰の役にも立てない。誰にも必要とされてない。私の人生はやっぱり変わらない。なぜだろう。死にたい。生まれてこなければよかった。両親には生んでもらったことを感謝しているはずなのに、今は死にたいと思ってしまう。やっぱり私は頭がおかしいのではないだろうか?

本気で死ぬ勇気もないくせに「死にたい」とか「つらい」などというワードでネットを検索する日々が始まりました。同時に病、双極性障害発達障害適応障害毒親アダルトチルドレンあらゆる精神疾患を疑ってその特徴を調べまくりました。でも当てはまることもあれば当てはまらないこともあり、やっぱり自分の精神状態が何なのかはっきりとはわかりませんでした

もう病院に頼るしかない…泣きながら何度も精神科のドアの前まで行っては引き返しました。何かの正式な診断を受けるのはこわかったのです。診断を受けてしまったら前を向いて生きる普通の人生が二度と手に入らなくなってしまうように思えたのです。

 

HSS型HSPと確信する

数年前から知っていたHSP、その特徴に当てはまることも当てはまらないこともあるので私は違うはずだとずっと思っていました。しかし精神疾患について検索を続けると再びそのワードが引っかかってくるのです。

正直それまでの私はHSPのことを良く思っていませんでした。SNSで見ず知らずのHSPの人の愚痴を見ると甘えているように感じてイライラしたし、逆にHSPを利用して金儲けをもくろんでいそうな輩(たぶんそういうやつは非HSP)まで目につくようになり、人間の裏の汚い部分が見えたような気がして嫌な気分になり、絶対に関わりたくないと思っていました。

しかしHSPについてもう一度詳しく見ていくうちにHSS型HSPの特徴を発信しているアカウントをいくつか知りました。そこにはこんなことが書いてありました。

自分探しは意味がない、永遠に見つからないんだから
人間が好きな人間嫌い
発達障害双極性障害を疑う

スマホを後ろから覗かれたくない

これらの例は私そのものでした。そこでやっと気がつきました。私はHSS型HSPかもしれない…と。

それらのアカウントをフォローして数か月間ずっと投稿を読み続け、HSS型HSPの様々な特徴や例を知りました。ほとんど自分に当てはまるので確信するしかありませんでした。

以前の私のHSS型HSPへの理解は「HSPの皮をかぶったパリピ」、これは完全に間違っていました。HSS型HSPものすごく特殊な思考回路を持つ少数派の人間だったのです。

私はコレだったのか!!好奇心を抑えられなくて行動する時期と落ち込む時期を交互に繰り返してる!全人口の6%しかいないの!?そりゃ他の人と同じようになれないわけだ!

やっと自分の精神の状態がわかりました。急に目の前に明るい光が射し、一歩前進できるかもしれないと本気で喜びました。

 

心のコントロールができるようになりたい

人間関係でつまづき、精神疾患かと思うほどの強烈に落ち込んだ数年間を経てやっと自分のメンタル不調の原因が判明しました。もう私は40代後半です。長かった。本当につらかったです。

このあとも続く残りの人生、もうこんな思いを抱えて過ごしたくない。楽しく幸せに暮らしたい。最期の日には「幸せな人生だった」と心から満足して目を閉じて死にたいです。

私は自分の心をうまくコントロールできるようになろうと決めました。自分でも意味がわからないほどの複雑すぎる思考を緩めて解いて変えていく練習を始めました。


(後編 終わり)